理事長所信

第43代 理事長 山田 豪

スローガン
不惜身命~成し遂げる覚悟~

2020年新たなチャンスの到来とまちの発展
自然環境の整備
メンバーの拡大
コンプライアンスの徹底
まちや人に必要とされる人材の育成

【はじめに】

アルバムの中の一枚の古い写真。そこには多くの商店が軒を連ね買い物客で賑わう商店街の中で私は両親に抱かれている写真がありました。大学を卒業後、家業の修行のために伊勢原をでました。9年後に後を継ぐため伊勢原に帰って来たとき、まちの変化に驚きました。昔、営業していた商店は閉店しシャッターが閉まっている。かつてはそれなりに人通りがあった通りには人の往来はほとんどなく開店休業の状態です。時代の流れとは納得しつつもひどく悲しい思いがこみ上げました。家業を継ぐにあたり私はまずお客様の元へあいさつに周りました。帰ってきたことの報告をしながら世間話をしているときに年配の方からよく耳にしたのが、
「伊勢原は変わってしまった。商店街も店がどんどん減っていき人の往来も減り寂しくなってしまった。」と。
私も同じことを感じていましたが、自分の生まれ育ったまちを人からそのように言われることにさみしさを覚えました。それと同時に私よりも長く伊勢原で暮らしてきた方々が自分の慣れ親しんだまちをこのように口にするというのはどれだけの寂しさを持ち暮らしてきたんだろうか。その思いに馳せたとき非常に心苦しく重く受け止めました。友人との会話でも「あの場所にはなんて店があった。あそこは昔何々だった」なんて会話に花が咲き「昔は楽しかったね」などの会話で終わります。以降日々、自分もまちのために何かできるのではないか?寂しいと感じてきた方々の失意に応えることはできないか。考え現状と対策を探りまちの関係者と話をする中、青年会議所の会員に誘われ入会いたしました。現在、青年会議所には自己成長や商売につなげるためなどの理由で入会する中、私はまちづくりを目的として入会した人間です。青年会議所の宣言には明るい豊かな社会を築き上げようとうたっています。過去にとらわれ悲観するのでなく昔のような人がにぎわい活気のある社会を取り戻しそして発展させていく。それこそが青年会議所の存在意義であり社会に必要とされる団体の姿であると信じています。市政50周年に向け先人たちが築き上げてきたこのまちを、より豊かにしていくことが我々、青年会議所の使命であると考えています。

【2020年新たなチャンスの到来とまちの発展】

2020年。この年いせはらに新たなチャンスとそれに関わるまちの環境が整います。なんといっても2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催です。伊勢原市は神奈川県が伊勢原を第4の観光都市と位置づけ、「大山詣り」が日本遺産に認定された影響もあり観光客は国内外問わず増加傾向にあります。まちの発展には人の往来が重要です。交通網の発展により、より多くの方に伊勢原の魅力を発信する絶好の機会があります。自動車での移動ですと新東名高速道路伊勢原大山インターなどの道路の整備が整いつつあります。また電車ですと都心から近いことやロマンスカーが停車するようになったこともあり土日祝日を迎えると駅前には笑顔で談笑している観光客で溢れています。これからの登山への期待や触れられるであろう伊勢原の地域特産などに胸を膨らませている会話が耳に入ります。通りがかりに伊勢原の名産品は何か、何を食べたらいいか聞かれ返答している時、伊勢原市民として誇れるものがあり嬉しく感じます。このように地域に愛着を感じる市民をより創出することで伊勢原のブランディング化が進み、消費額向上に伴いまちの発展が望めます。納め太刀をはじめ、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンにも掲載された大山からの伊勢原の風景やB級グルメなど人の五感に触れるものは記憶に残りやすくブランディングしやすいものが多いです。このチャンスを逃すことなく伝統文化や名産品のブランディングを推し進め伊勢原の認知度の向上や地域活性に寄与していきたいと考えます。また伊勢原の世帯数は都市開発の影響もありわずかではありますが増加傾向にあります。新たに伊勢原に定住する市民にも伊勢原とはこんなまちである。こんなに誇れるものがあるんだということを知ってもらい、伊勢原の文化や地域資源のすばらしさを共感しあえるまちづくりを行います。市民と意識を共有し、市外、国外にアピールできる事業の構築を成し遂げれば経済と文化が一体なった活気溢れるまちの創造ができると確信します。

【自然環境の整備の必要性】

伊勢原青年会議所設立初期に環境教育に役立てるため梅の木運動が行われておりました。私の年代から最近の子供たちは外で遊ばなくなったと言われ始めました。公園の前を通るとゲーム機を持ち寄り遊んでいる姿が目立ちます。こうした背景の一つに核家族化、共働きなど大人たちが自然の中で子供に遊びを教えることやその楽しさを学ぶ機会が減少したことが挙げられると思います。峰晴れわたる大山の…これは私が通っていた伊勢原小学校の校歌の一節になります。古くから伊勢原は自然豊かな環境の中、子供たちが心を育む環境がありました。近年では若年層を中心に動物や昆虫、土にも触れない方が増えております。人間の生活は自然に支えられています。私が子供のころは友達と野山を駆けずり周っておりました。衛生面はさておき、捕まえた沢蟹をおやつにしたり、父とカブトムシやクワガタを取りに行ったりと豊かな自然の中、命の尊さや緑の大切さを肌で学ぶ機会がありました。2015年に国際連合サミットで採択されました持続可能な開発目標「SDGs」中に「陸の豊かさを守ろう」とあります。「守る」ためにはまず自身で感じ取ることが一番重要だと考えます。また伊勢原に観光に来られる方には大山や日向薬師、芝桜など自然に触れることを目的にしていることが多いです。自然環境の整備は観光客に対して伊勢原のアピールにもつながります。そこで伊勢原青年会議所は本年、植樹や生態系の保護など自然環境や公園などの整備に力を入れたいと思います。大人と子供が共に自然環境の整備を行うこと。そして後世に残しその尊さを知る人間を創出することで心豊かな人が溢れる社会の実現につながるものと考えます。

【メンバーの拡大】

近年、全国的に青年会議所の会員が減少しております。伊勢原青年会議所でもメンバーの減少は問題になっております。今、この伊勢原があるのも伊勢原を良くしようと尽力してきた先輩方の志と率先してリーダーシップを発揮してきたことにあります。なぜ拡大を続けていく必要性があるのか。よく耳にする意見としてメンバーの縮小は事業規模の縮小や事業予算の確保などと危惧されておりますが、私はひとえに機会の損失だと考えます。2015年に内閣府より「価値デザイン社会」についてのビジョンが発表されました。日本青年会議所でも活動に取り入れられているように新たな価値を付け加え新たなデザイン思考を創出する。新たな考えを持っているのは外部にいる人間です。メンバーにない新たな考えを持つ人間が会員となることで思考の多面性を生み、新たな価値の付加や事業の質の向上が望めるものと思います。ではどのように機会を創出していけばいいのか。それは信頼と行動です。夢や希望を語り合い、事業を通し実現させ団体としての信頼をそして賛同する人の輪を広げていくことです。人を育てるのは周りにいる人間でありより多くの人間関係が自己の成長やまちの発展につながります。青年会議所運動では普段では出会えない人脈を得ることが出来、それまでつかめなかったチャンスをものにする機会がたくさん溢れております。青年会議所の多くの魅力を共感してもらいメンバーの拡大を行うことは青年経済人としてまちを牽引していく人材の創出には必要不可欠になります。

【コンプライアンスの徹底】

「コンプライアンス」この言葉が社会的に定着してどのくらいの年月が経ったでしょうか?当時は企業が「法令順守」を徹底しているというアピールをよく耳にしました。しかし、会社の資金を私的に運用したり、著名人が反社会勢力と関わりを持っていたりというニュースが今もなお、テレビや記事紙面を賑わせ後を絶たない現状があります。SNSなどの普及により動画や画像が拡散し収拾がつかなくなることがあり、会社や組織の信頼を失うという事例が近年の傾向にあります。このような背景に共通するのは「始めは軽い気持ちだった」ということです。このぐらいの「金額なら分からないのでないか?」「ばれなければ大丈夫だろう。」という甘い考えです。人間は意識して日々、行動していなければ慣れ、薄れ、忘れていくものです。我々、青年会議所のメンバーは各々が社会の模範となる立場の人間であり、その重要性を自覚し人々の期待に応え、毅然とした組織運営を遂行しこれからも信頼を得続ける団体である必要があります。そのために、改めてデータ・個人情報などの取り扱いの徹底など意識共有をすること。そして健全かつ透明性のある社会的規範に沿った予算支出をし組織の運営をしていきます。

【まちや人に必要とされる人材の育成】

青年会議所は仲間とともに明るい豊かな社会の実現に向けその時代に存在する様々な問題や課題に対し向き合い解決にむけ行動していく団体です。またその行動のなかで苦悩し勉強し時に意見を求め事業を通し成長していける団体でもあります。一方、40歳までという縛りのある中で近年ではわずかな活動期間で卒業しなければならないメンバーも少なくありません。青年会議所活動では「チャンスは平等、つかみに行ったものが成長する」と言われております。しかし実情では経験の浅いメンバーでは事業に携わる機会がなかったり、実働時間が短かったりと十分に成長の機会がないまま卒業を迎えてしまっております。2020年度はサマーコンファレンスやJCI世界会議など計り知れない多くの人と関わり合い多角的な考えや良知良能な学びを得る絶好の機会があります。本年度の伊勢原青年会議所は1委員会、1会議体体制で活動いたします。メンバー全員が参加し所学を得、伊勢原青年会議所の今後の発展と活動に携わる場の機会をとしてLOMに落とし込むことで、事業の構築の仕方や他団体との連携の取り方、都度必要とされる手配の仕方などを学び誰一人取り残さず共に成長していく団体を目指します。これによりメンバー間の結束の強化や個人のスキルアップが見込め、まちや人に必要とされる人材の育成につながることと確信します。

【終わりに】

何か物事が変わるときというのは実際に行動に移した時です。今のこの時代、「夢」や聞こえは悪いかもしれませんが「欲」が薄れているように感じます。働こうと思えばひとまず生活が困窮しない程度の給料は貰え、お腹がすけばコンビニエンスストアが飽和状態にありすぐに満たせます。途上国の若者は「夢」と「欲」にあふれています。私は野球が好きなのですが東京読売ジャイアンツや広島東洋カープはドミニカ共和国の若者の育成に力を入れ、近年続々と頭角を現し支配下登録を獲得し活躍しています。それは自身や家族の生活の為「ジャパンドリーム」を勝ち取った努力の結晶です。戦後、荒廃したまちにて住む場所にも日々食べるものに困っていた時代に立ち上がったのは我々と同年代の「夢」と「欲」を持つ青年たちでした。その思いは青年会議所として代々先輩方に受け継がれ日本が現在の文明先進国に発展させてきたのは豊かな社会を築きたい、それをこれからも引き継いでいきたいという想いです。人の心というものは何もしなければ冷めていくものです。だからこそ我々青年会議所のメンバーは常に熱い思いを持ち日々一歩ずつ努力を重ね成長していかねければいけません。入会より5年。メンバーとともに様々な事業を通じ、自己成長しながらまちへの事業にチャレンジしてまいりました。本年度のスローガン「不惜身命」のもとでもそれは揺るぎありません。必ず成し遂げる。誠心誠意、メンバー一同JC活動に努めてまいります。